秋晴れが気持ち良い
リング争奪戦とか言う
よく判らない事にまきこまれて以来
こんなに 穏やかな気持ちになったのは久し振りだ
何畝 あの赤ん坊の知人らしいが
学問では無い
戦闘の
家庭教師
その人を付けられてからは
(どうやら修行だったみたい)
四六時中 戦ってばかりいたから
最も
この僕に"家庭教師"なんて必要ないのだけど
久し振りに時間にゆとりが出来たから
校内の巡回でもしようかと思い 応接室から出て
暫く歩き 角を曲がった
直後
目の前に
一人の 子供が居た
無論 中学生ではない
見るからに 小学生ぐらいだ
・・低学年ぐらいの
こんな朝早くからいったい誰に何の様があるのだろう
この学校に兄弟でもいるのだろうか
誰かを捜してるかのように
泣きべそをかきながら
辺りをきょろきょろ 見回している
放って置く訳にもいかないので 近付いて声をかける
「ねぇ 誰か捜してるの? 」
その子はまるで 何処かの草食動物みたいに
少し怯えながら顔を上げた
「・・・・・・・雲雀さん・・・・・・・・・・・・・・」
かと思うと僕の名前を呼んだ
「何で 僕の名前 知ってるの?」
驚いて かなり安易な質問をしてしまった
確かに 何処かで見た覚えは有るのだけれど・・・・・・
まぁ良いや 考えたけど出てこない
するとこの子の方から
あの赤ん坊の側の 群れてる草食動物達の中の
一人の名前を出してきた
『ふぅん・・・・・・あの草食動物の・・・・・・・・・』
あぁ そう言えば前
黒曜に行った時に会ったっけ
あの頃との雰囲気とは
似ても似つかないものだけど
無理も無いか
こんな小さい子が
とても耐えられる様な空間では無かったのだから
そう言えばこの子 あの草食動物を捜してるんだっけ
今日・・と言うかさっき 屋上に行くのを見掛けたっけ
そう思い 窓の外に目を向けた
この子も草食動物の姿を見つけたのだろう
さっきまでの 不安や戸惑い何て
微塵も感じさせない様なとても明るい声で
あの草食動物の名前を叫ぶや否や駆け出した
まったく・・・この子は並盛中の構造が複雑なのを知ってるのだろうか・・・
知ってるはずがないよね・・・
勢いよく駆け出したのは良いけど
屋上へ続く階段があるのは反対方向だ・・・
取敢えず これ以上迷子とかになってもらっちゃたいへんだ
腕を引いて制止させる
かなり勢いを無理やり止めたのだから
体勢を崩したのを軽く受け止めてやる
受け止めた彼は あまりに小さすぎて何だか拍子抜けした
それから彼を まるで幼子をそうする様に
手を繋いで屋上へと向かった
暫く歩いて 階段に着く
この先が 屋上なのだと説明する
上から 女の声がした
きっとこの子と一緒に来た奴等なんだろう
彼が嬉しそうに誰かの名前を呼んだら
階段から 緋色の髪を靡かせて
異人が駆け降りてきた
"フゥ太"
と 僕の連れてるこの子を見てそう呼んだ
僕はこの子の名前も知らずに行動していた事にようやく気付いた
少し視線を"フゥ太"からさっきの女子に向けると
威嚇するように(と言うか完璧に威嚇してる) 僕の方を睨んでる
ワォ 僕に喧嘩を売るなんていい度胸してるね
僕等の放つ 異様なまで殺気に気付いたのだろう
"フゥ太"が 慌てて訳を女に説明し出した
事情が読込めたのだろう
緋髪の女は さっきまでの殺気が嘘の様に
丁寧に御礼を言ってきた
「どう致しまして」
と 取敢えず社交辞令
「じゃあね もう迷わないように気を付けて」
軽く注意して 別れの言葉も告げた
そのまま 応接室に戻ろうとした
ら 呼び止められた
顔を真っ赤にして
僕の事を下の名前で呼んでも良いか と
尋ねられた
(どちらかと言うと「叫ばれた」の方が正しいかも知れない)
かなり大きな声だったし
いきなりの事で少し驚いたけど
何故か断るような気分にはならなかった
なんだか不思議な感じがしたけど
取敢えず
「ご自由に」
と振返りざまに返事をした
これも全部 あの草食動物共のせいなのだろうか
たまには 誰かと関わるのも 悪くない
なんとなく 癪だけど
少しだけ
本当に少しだけ
感謝 してみようと思う
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・fin
9/26
雲雀目線 「名前を呼んでも良いですか」
たまには 雲雀さんでほのぼのを・・・
ちゃんとほのぼのになってるんでしょうか??(汗)