イタリアに来てから早10年

ずっと隣に居た君の姿は今もう 無い





「失礼します」



恭弥さん 新しい仕事頼みたいんですけど・・・・ 



顔を覗かせたのは"彼"

この組織の頭 沢田綱吉

2人のときは呼び捨ての名前を 任務の時は必ず敬称をつける



彼の"けじめ"らしいが 雲雀は其れが少し嫌だった



「今度は何? 何の任務?」

どうせなら何処かの群でも咬み殺したい



伸びた髪の間から 鋭い眼光が見える

雲雀の考えてる事が分ったのか綱吉は少し申し訳なさそうな顔をした



「すいません今回はその・・・ 組織潰とか制裁とかじゃなくて・・・匣についての件なんですが」

どうやら新しい情報が入ってきたのでその連絡と 向こうに行って調べてきて欲しいんです



「そう・・・匣の・・・分った」

願ったり な任務だ



スーツに着替えようと立ち上がった雲雀を綱吉は少し心配そうな顔をして見ていた

「? 何?」

視線に気付いた雲雀は少し変な顔をした



「あ・・いや 恭弥髪伸びたなぁって思って・・・ ねぇ それ見え辛くない?」



「? あぁ 特に支障はないけど」



「・・・そっか・・・・」



そう言うと綱吉は黙りこくり 俯いてしまった



「何? どうしたの」



「恭弥 髪切らないの?」



「何で? 支障は無いって言ったばかりだけど」



意を決したように顔を上げて 瞳に涙を溜めながら雲雀を見た



「だって!! だって恭弥 1つ任務を終わらせて帰ってくる度に返り血浴びて・・・ その上そんな前髪だから 表情もよくわかんなくて・・・! 俺いっつも心配してたんだから!!」



思ってもみなかった事を言われ 雲雀は面をくらった



「そう・・ ごめん 分ったこの任務が終わったら切って来るよ 前髪」



今にも泣き出してしまいそうな彼を軽く抱きしめ あやす様に言ってやる



「・・・約束 ですよ・・・?」



そう言って彼は 綺麗に微笑んだ



それにその前髪じゃ 俺の顔も録に見えないでしょう?

軽口を叩いてにっこりを笑いかける



ふっと 微笑み雲雀は"約束"だと 綱吉の頬に口付けた





哲を連れて 扉を開き 軽く振り返る

「じゃぁ行って来るよ」

「行ってらっしゃい 恭弥」









其れが 彼 沢田綱吉と交わした最後の言葉だった



僕が駆け付けた時は 既に遅かった

彼が撃たれたと連絡が入ったのは

任務が予定より早く終わった為 彼との約束を果たすべく髪を切ってる最中だった





もう冷たくなってしまっている彼の頬を撫でる

今 此処には彼を僕しか居ない



静寂



ねぇ 起きなよ 

せっかく僕が帰って来たんだから

何時もみたいに 笑って 抱きついて "お帰り"って言ってよ



「ねぇ 君との約束通り 髪切って来たんだよ  この長さなら暫く君の顔もよく見える」



なんとか言ったらどうなの・・・・







君との約束を果たす為だったのに 

 君が居なければ意味が無いじゃないか









・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・fin



2008 04/13



自分で考えといてこのネタ自体に泣きそうになった私馬鹿

因みにBGMはサイハテ ニコニコで見付けてはまって聴きながら書いてたら地味にキタ・・・(苦笑)



第三者から見た小説にしようとしてたのに結局中盤から誰目線で言ってるのか分らなくなったっていうオチ・・・orz